魔法、魔法使いについて…。

魔法使いはファンタジーの世界だけの住人かといいますと、そんなことは無く。
イギリスなど未だその「末裔」だと名乗る方々も暮らしていたりもしますし、最近は日本でもかなりメジャーになってきたキリスト教系のお祭り「ハロウィン」も、魔法使いの風習の名残だったり。
またかの児童書「ハリーポッター」なんかがベストセラーに上がってくるということは、“そういう要素”がまだまだ生活の中にあり、またそれが多いに望まれている…ということでもあると、思うんですよね。

かの解剖学の教授、養老孟司先生の本の中に、非常に的を得て魔法的なものが記されていた気がしました。それは一体どういうものかと言いますと、世には「自然なもの」と「人工的なもの」の2つがある…という話なんです。

中世なんかの「街」というのは、大概城壁に囲まれていて、人々はその中で暮らしています。 城壁の外はこれは「自然」ですよね、恐ろしい獣も居ますし深い森も恐ろしい。比べて城壁内は家から柵から木の一本から人が“ここに植えよう”と、頭で考えて計画して置かれているもので、「人工的なもの」です。

人工的なものは、誰かが頭の中で考えた設計図を元に作られているわけで、言い換えると街の暮らしは「脳味噌の中」の暮らしというわけです。自分で考えた道理の中に住まう…だからとても安心出来、居心地が良いのだというわけです。
脳味噌の中の暮らしですので、野蛮な行為は全面禁止。剣や武器の携帯も禁止で封緘を貼られてお金も取られます。
身だしなみも整ったものを身につけないと怒られます。風俗なんかも「性」という「自然もの」は嫌がられますから区域を決められて他でしちゃダメってなことになりまして。
まあそういうふうに都市化が進むと、人は徹底的に「自然のもの」を排除しようとしちゃうんだそうです。土が見えていると気に入らないからと石畳に替えてみたり。脳の中の世界では、いつも何もかもが同じように同じ形で…というのが大原則なんです。減ったり壊れたら即座に取り替える。アクシデントとか予想できないことというのは、とても嫌われるんですね。

そうした都市に住む人にとって、都市でないところに住む人は、みんな得たいの知れない魔物であり魔法使いに感じらる…。と、こういうわけだそうです。お百姓もキコリもみんなそうで。自然に近いところで暮らしている人は、人口的なところで暮らしている人にとっては「みんな魔法使い」ということになるかもしれませんね。

ところがです。この人工的世界で一つ、どうしても取り除けない自然物が都市には有るんですね。
それが、脳味噌の持ち主である「人間」そのもの。
こればっかりは、いつ生まれるかも解らないし、いつ死ぬかも予想も予測もできない。
故障もアクシデントもつきものです。
そうすると、人工物で囲まれているのに自然物であるという状態なもんですから、
色々と矛盾が引き起こされるというのもまた道理…。

今、私達が住んでいるこの時代も、人工物であまりにも取り囲まれて居ますよね。
そうした色々な矛盾が膨らんで、それが私達の精神を圧迫しているといえるのではないでしょうか。

私達は、人間は自然物だということを、少し忘れかけ過ぎてはいないかな? 
…ということが思い出せたら、何か変わったりしないでしょうか。

そういうわけで、今、小さいながらも魔法の園を作ってみました。
生活の中の小さい「生きる」という変哲も無い魔法です。



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