チビクワガタ飼育の概論

T.はじめに・・・。
 
僕がこのクワガタを始めて出合ったのは2000年の冬の事だった。いつものように材採集に来ていて割り出してみたら見慣れない虫が・・・・以前に図鑑で見たのを思い出してチビクワだということが分かった。しかし、こんなに小さいとは思っていなかったので正直ビックリした。採集していくと同じ場所から3匹ほど採れた。最初はどうみてもクワガタにみえなかったのだ・・・・。この時は増やし方など分からずにとりあえず図鑑で見た通り肉食ということで「キャットフード」をあたえていたがわずか2ヶ月で死んでしまった。それ以来チビクワには出会ってなかったが「2002/5/5)にて30匹もまとまって採れて驚いた。(詳しい内容は採集記で)そんな感じでこのクワには様々な思い入れがある。その時採れたチビクワでブリードを試みて無事次世代を得ることに成功したのでそのことをここでまとめてみようと思う。小型種好きやこれから飼おうと思っている方、採集したけど増やし方がわからないと言う方は是非参考にしていただきたいと思う。

U.チビクワガタFigulus binodulus)の生態と生活様式

 名前の通りサイズはかなり小さくオスメス共に9〜16mmしかない。オスとメスはほとんど区別がつかない。生息地は本州(中部以西)〜九州、八丈島となっている。材採集をしていて分かったことだがノミでもなかなか歯が入らない所から手でボロボロ崩れるようなところでも生息していた。ただどちらにも共通して言えることが樹皮のしっかりした水分の多い細い材だったことである。しかも1本の材の中で集団生活しているようだ。採集記の通り一本の材で30匹も採れてしまった。図鑑によれば子育てするクワガタだそうだ。(親虫が材を細かくし幼虫がそれを食べる)親虫が肉食なのも外敵から幼虫を守る為なのかもしれない。

←化石になるほど以前から生息していた。
かなり昔から生息していた原始的な
形のクワガタだろうと思う。
昔のチビクワは現在より大きかったらしい。
新しく登場したクワガタ達に住処を奪われ
小型化することを余儀なくなれたされたのだと思う


資料提供 :井上しげひろ先生
関連ページ:温泉町の昆虫化石

V.飼育方法

@餌
 肉食と言う事で餌はキャットフードを与えてみた。魚、肉等動物性ならなんでも食べる(ゼリーも食べるみたいです。)そうだが僕は管理が楽なキャットフードと高たんぱくゼリーをあたえることにしました。腐ろうがカビようが平気なみたいでなくなるまでそのままにしておきました。キャットフード与えるときはマットにカビが移るとあまりよくない気がするのでアルミホイルや使用済みのゼリーの容器の上にのせて使用しました。

僕が使用している餌用のキャットフード
ちょっとカビようがあまり関係なかった。
動物性タンパクがいいと言うことで使用していたゼリー
キャットフードより喰いが悪かった。


A材

 様々な材を入れて試してみたが樹皮のある細い材がいいみたいである。水分は多めが良いと思われる。雑虫は殺さなくてもチビクワが自分で餌として捕食しにいくので大丈夫だと思う。めちゃくちゃ硬いオオクワ用の材をマットに埋め込んでいたが驚くことにそこにまで幼虫が進行しかなり奥深くまで潜っていた。

材は細くても樹皮が分厚くしっかりしたものを選ぶといいと思う。
産卵用にはやっぱりやわらかくて水分の多い材の方がいいだろう。


Bマット

 チビクワは材の肉質と樹皮の間にマットの層を作っていました。状態は結構発酵した状態だったのでクワガタの幼虫の喰いカス等がいいと思う。上の項でも述べたとおり雑虫がいようが心配ないと思います。これもやや水分を多めにするといいとおもいます。

自然でも材と樹皮の間のこんな色のマットの所で生活していたので
これくらい発酵してるくらいの方がいいとおもわれる。

Cケース
 チビクワは非常に小さく通常のプラケースを使うと逃げられてしまう可能性が高いのでコバエシャッターや気密性の高いコンテナがよいと思います。(逃げられて他のクワが食べられたら大変ですから(^^;;;))飼っている数量に合わせてケースのサイズもかえるといいと思います。

当初使用していた「コバエシャッター」
逃げられる心配もなくかなりいい容器だった。
実際にチビクワに使ったことはないが
こんな感じのミニコンテナでもよいと思う。

D温度
 低地に多い性質から温度は高めの方がいいと思います。常温で大丈夫で夏の間に爆発的に増え温度が低くなると越冬します。


 産卵セットの方法ですがまずマットを敷きその上に固めの材を入れその上に更に水分を多めにした材を置き、上に置いた材が半分くらい埋まるように硬くマットを詰めます。こんな感じでセットしたらうまくいきました。

僕の現在の飼育風景です。
数がかなり増えた為10リットルのコンテナで管理しています。



W.飼育考察
 上の飼育方法どうりにセットし集団生活ということでこの前の採集の採り分の10匹全部をまとめて入れました。そして約3ヶ月後くらいにケースの底に幼虫を確認したので幼虫を回収してみると30匹以上産んでいました。(一部新成虫と見られる個体も発生していました。)初令幼虫本当に小さかったですが3令にもなると成虫の大きさにもよらずコクワのメスの3令幼虫くらいに成長していました。ケースの横を覗いてみるとあちこちに坑道が掘られていてそこにチビクワが住んでいました。まるでアリの巣みたいでした(^^;;;
 それから回収した幼虫と成虫は材が幼虫に食べ尽くされていましたので新しいセットに移し替えました。その際に一部人に分けてそのうち5匹をもともと入っていたマットを入れたプリンカップにまとめて入れておいたのとまだまだ白い状態のマット(未発酵)に個別にプリンカップに入れた奴を5匹渡しました。渡した後で子育てをするクワということで成虫がいないからちょっと不安になりましたがそれも杞憂に終わり、全部無事に羽化したそうです。幼虫もマットでは普通のクワと同じようにそだてられるようです

チビクワの幼虫です。
右から1、2、3令です。
成虫の大きさの割に3令幼虫は大きいです。

資料提供:ねこまるさん
チビクワの蛹です。
幼虫の割に縮んで見えます。
やっぱりかなり小さいですね(^^;;;

資料提供:ケンケンさん

X.最後に。
 今回はあまり注目されない種類チビクワガタについて書いてみた。最近は外国産の大型の物や色の綺麗なクワガタが人気だと思うけどこういう種類もいるのも忘れないで貰いたい。はっきり言うとチビクワはズボラに適当に飼育していても案外頑丈で飼いやすい種類だと思います。小さいので生活の様子に動きがなくてあまり面白くないと思うがアリの巣みたいに広がっていく様子等すばらしい所はいくらでもあるとおもいます。チビクワの飼育を他の種類に応用されることがあったらと思います。飼ってみれば面白い種類ですので皆様も機会があれば是非!!今回は沢山の方との情報交換や写真の提供で実現することができました。提供者の皆様心から感謝しています。

資料提供
井上しげひろ
 先生

ねこまる 様
ケンケン 様

※ご協力どうもありがとうございました(^^)

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