花粉会・こだわりの「鰹節」
<資料提供>  社団法人  日本鰹節協会   枕崎水産加工業共同組合

節のいろいろ
かつお荒本節
かつお本節
3.5Kg以上の「かつお」を3枚におろした後、各身を血合いを境に切り分けたものがつかわれます。
つまり、1尾の「かつお」から4本の節がとれます。この時背側の節を雄節、腹側の節を雌節といい、背節・腹節と呼ぶこともあります。各身を煮熟し骨抜きしたものを、燻し乾かす作業が何度も繰り返されます。こうして出来たものが荒本節です。その表面を削って見栄のいい形にしたのが裸節、それにカビ付けをしたものが枯れ節です。

かつお亀節
かつお荒亀節
3.5Kg以下の「かつお」をしようします。3枚におろしただけの身を使うため、1尾の「かつお」から2本の節がとれます。ほっそりとした形の本節に比べ、亀節は全体が丸みを帯びています。亀節の名はその形が亀の甲羅に似ていることに由来します。煮熟後、骨抜きしたものを何度も燻し乾かされ荒亀節が出来上がります。その後は本節同様、表面を削って見栄えのいい形にした裸節や、それにカビ付けした枯れ節に仕上げられます。
さば枯れ節(ごまさば丸)
さば枯れ節(ごまさば割)
割節にするか丸節にするかの重さの基準は、生産地で異なり、枕崎では約400g以上が割節に、それ以下が丸節に加工されます。業務用のさば節は節で流通することはまずなく、ほとんどが削り節として出荷されます。原魚の中心となるのは「ごまさば」で、節加工には九州近海でとれたものが主に使われます。節の種類には色々有り、「さば丸節」「さば裸割節」「さば枯れ丸節」「さば枯れ割り節」更に「さばポックリ節」「さば圧搾節」などが有ります。

薩摩の節のできるまで
かつお節は4〜6ヶ月かけ、いくつもの行程を経て作られます。
1 生切り
2 煮熟
節となるサイズに切り分ける作業です。一般に3.5Kg以上の物は本節に、以下の物は亀節に使用されます。頭や内臓は除去した後、亀節は3枚におろし、本節ははさらに各身を血合いを境に2つに切り分けます。生切りは仕上げ節の形を決定するうえで重要な作業です おろした身を煮ます。加熱による急激な身の収縮で亀裂ができるのを防ぐため、特に鮮度の良いカツオは釜入れ時の湯温を低く抑えます。所要時間は本節で2時間15分〜40分、亀節で2時間15分〜30分。
3 骨抜き・修繕
4 焙乾
煮熟後骨を抜き、「もみ付け」をほどこされます「もみ」とは、カツオの背骨などに付いた身をすり身にしたもので、これを骨抜き時に生じた隙間や亀裂に竹ベラで埋め込みます。こうする事によってカビ付け時のカビの侵入が防止されます。 燻す作業です。最初に行われるのを「一番火」といい、「二番火」以降の「間歇焙乾」と呼びます。焙乾は亀節ですと6〜8回、本節は10〜15回繰り返されます。こうして出来たのが荒節です。
5 表面削り・修正
6 カビ付け
表面に付着したタール分と、焙乾中ににじみ出た脂肪分を、デバという小刀で削り取ります。こうして裸節が出来上がります。 水分を減少させ、香味を抜けないようにする作業で、裸節をムロに入れ3〜4週間をかけて行われます。最初に発生したカビを一番カビと言い、同様に二番カビ、三番カビ、四番カビが付けられます。こうして仕上げられたのが本枯れ節です。

薩摩の節の歴史
わが国における「かつお節」の歴史は古く、古代までさかのぼります。最初に「かつお節」らしきものが文献に登場するのは「古事記」においてで、「堅魚」の記述がそれにあたります。当時は単にカツオをを日に干しただけだったようです。その後、カツオを煮る作業が加わり「煮堅魚」「堅魚煎汁」として、奈良時代の「大宝律令」や平安時代の「延喜式」の中に登場します。また、室町時代には文献に「かつおぶし」の記載が見られることから、この時代に燻乾法が考案され、「かつお節」としての利用が始まったことが推測されます。
さらに戦国時代には、その名が「勝男武士」に通じるところから縁起物として重用され、また兵食としても利用されました。「かつお節」が本格的に製造されるようになるのは江戸時代に入ってからです。
カビ付けの技術は時代とともに改良が進み、明治末期には4〜6番カビ付けをした「本枯れ節」が東日本に出現し、全国に普及していきました。しかし、「かつお節」は高価であったため、ソウダガツオ・マグロ・サバなどをした節製品も作られるようになり、現在に至っています。このような歴史の中で、鹿児島県もまた、古くから「かつお節」作りが大変盛んでした。書物の「種子島家譜」の中に、「花鰹」の文字がわが国で最初に見られることからも、それが良く分かります。
品質が高まるのは宝永年間(1704〜1711)頃からで、紀州の森弥兵衛によって鹿龍(枕崎)に紀州の燻乾法が伝えられてからとされます。当時の製法は今と違って独特で、枕崎から帆船で南西諸島に出漁すると「沖いで」と言って、船上で半製品にしていました。その後、口永良部、黒島、中ノ島などで「島いで」と言って、仮設の小屋を設けて加工するようになりました。冷凍技術がなかったことから生み出された方法ですが、質の悪さは否めず、そこで大正時代に入ってから改善がはかられるようになりました。積極的に伝習所をつくり他県から指導者を招くなどして、技術者の養成に力が注がれたのです。
その結果、製品も著しく改善され、薩摩の節の名声も高まりました。
今や、枕崎、山川を主要産地とする薩摩の節は、丁寧な作りによる品質の良さからその名を全国的に知られます。現在、当地で生産される「かつお節」の1割は本枯れ節で関東方面に出荷され、8割は荒節として関西方面に送られています。
この地はわが国の最南に位置し、流通面では不利な条件を強いられますが、それを品質の良さではね返したところに大きな特徴が有ります。

薩摩の節の実情
 薩摩の節はその大半が最終的に日本料理店や蕎麦店などで購入され、料理のだしとして使用されます。
 しかし、だしと一口に言っても、使われる「かつお節」の種類は微妙に異なります。その理由はそれぞれの地域における食文化が異なるからです。基本的に関東ではカビ付けをしまものが、関西以西ではカビ付けをしないものが好まれる傾向にあります。
 いずれにせよ、日本料理の味の基本をなすものは、なんと言ってもだしです。だしが料理のすべてを決定付けると言っても過言ではありません。日本料理の場合、だしの材料の中核をなすのは「かつを節」です。つまり、 だしの良し悪しは「かつお節」にかかっていると言ってもいいわけです。そこで、特に高級料理店ではだしに最大限の神経が払われ、その結果、選りすぐりの最良の「本枯れ節」が使われます。これなくして、あの澄んだ、それでいて美味な味は作り出せないのです。
 かつては、このような店を訪れる人の客層はごく限られていたのですが今やその層は広がりを見せています。それは、グルメブームを背景に、一般消費者のだしに対する本物志向が高まったことによります。それは蕎麦店においても同じで、極上の美味しさを提供する店には行列が出来るほどです。このような店は、だしに最良の「かつお節」を使っており、そのかだわりが美味しいものを追求する消費者の満足度を刺激したのです。さらに一般消費者の中にも、味にこだわるあまり、家庭でその美味しさを作り出そうと、上質の「かつお節」を求め、問屋まで足を運ぶ人がいます。しかもその数は目立って増えています。
 このように、今は、グルメブームがより進んで本物にこだわる時代へと移行しつつあります。それだけにすぐれた上質の「かつお節」が求められ、枕崎、山川を主要産地とする「薩摩の節」は、その代表として真っ先に挙げられます。
 枕崎、山川産の「かつお節」のうち本枯れ節は主に関東へ、裸節は主に関西に、問屋を通して出荷されます。大都市圏の問屋の中には、節だけでなく、それを自分の店で削って販売する処も多く見られ、前夜に得意先の料理店などから注文を受けると、その日使用する分を要望ごとに削って混合し、毎日配達します。そのような専門店のない地方の場合だと、多くの料理店では、削りたてをチッソガス注入してパック詰めにしたものを先の問屋から取り寄せるケースが多いようです。
 いずれにしても、現代人の高級志向のニーズに応えられる「かつお節」として、枕崎、山川産の節は全国で使用されています。

薩摩の海と魚
 「かつお節」は世界に類を見ない日本独特の食品です。原魚はカツオで、約36万トンの年間漁獲高のうち約6割が「かつお節」作りに使用されます。そして、その約半数が薩摩の節の主要産地である枕崎、山川で使われています。

 「かつお節」の他に、同様の方法で節になる魚としては、マグロ・サバ・ムロアジなどが有ります。枕崎や山川でも黒潮に乗った良質のサバを原料に、さば節の生産が盛んです。なお、カツオに関しては、近年に入り、インドネシアを始めとする国々からの輸入ものも増えていて、節作りに利用されています。



 漁法は今までは1本釣りが主体でしたが、漁船の大型化や技術の進歩にともなって、遠洋漁業による大型巻網漁もなた盛んになっています。

 カツオは回遊魚に属します。赤道をはさんで北緯40度から南緯40度の暖海を回遊し、その一部が小イワシ類などのエサを求めて2月下旬頃九州南方の海域にやってきます。特にこのあたりは22〜23度の、カツオがもっとも好む水温であるため、大群が押し寄せます。その後、黒潮に乗って日本列島沿岸を北上し、10月頃また南下を始めます。昔は、「かつお節」の呼び名もカツオの漁獲時期によって変化したものです。4〜7月に獲れたカツオを原料としたものは「春節」又は「夏節」、8〜10月に獲れるものを原料とした場合は「秋節」と呼ばれていました。

 生食用のカツオと節に加工されるカツオとの違いですが、これは脂ののり具合にあります。生食用は脂がのり過ぎず少な過ぎず、適当であることが条件とされ、1〜2%の脂肪含有量のものが最良とされます。

節の雑学
かつお節にまつわる諺

 <猫に鰹節>
猫のそばに好物の鰹節を置く意味から=好物が近くに有っても油断出来ない。つまり、あやまちが起こり易かったり、危険で有ったりする状況を言う。

 <猫が肥えれば鰹節がやせる>
一方に利有れば、もう一方に損有りのたとえ。

 <猫に鰹節を預ける>
猫の好きな鰹節を、よりによって猫に番をさせる事から=一番不適当な事をさせるの意味。

  <女と鰹節硬きほど良し>
女性の身持ちの堅さを説く諺。

 <鰹節に使う>
人や物をだしに使うのたとえ。

かつお節にまつわる言葉

 <かつおぎ>(鰹木・堅魚木)
神社の宮殿の棟木に並べられた装飾の木、その形がかつお節に似ているからつけられたとされす。

  <おかか>(御母・御嬶)
かつお節の女性語。母や妻を親しみを込めて呼ぶ称。関東・北陸地方てはかつお節の別称として使われる。

  <なまりぶし>(なまり節・生節・なまり)
煮熟した鰹の肉を生干ししたもの。

  <いろり>(鰹色利・鰹煎汁)
かつお節を作る時に出る汁を煮詰めたもの。味付けに利用される。




<資料提供>

社団法人 日本鰹節協会

枕崎水産加工業共同組合
898-0025鹿児島市枕崎市立神本町12
 TEL 0993-72-3331


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