「そば」への

想い/不思議/発芽 の様子


−−− そばへの想い−−−
 秋にかわいい白い花を咲かせる「そば」はタデ科の一年草。
“タデ食う虫も好き好き”の、あのタデです。可憐な花の後
に結んだ実(玄そば)は真っ黒な三角形の粒。

その実を臼で挽くと、黒い三角錐からは想像もつかない白い
そば粉が現れてきます。

そば粉は用途によって何度か挽き、それぞれに名前を付けら
れていますが、最初に取れるそば粉を「花粉」といって打ち
粉に使います。

虫も寄り付かないタデ科に属するそばを、美味しい食べ物に
するには、そば職人の調理技術のいっそうの鍛錬とそば本来
の味を引出す心構えが必要だと思います。

「花粉会」は、そば本来の味を大切にする店の集まりです。
そば粉に挽いた時の“花粉”の輝きを忘れず、常に初心に立
ち返って、そばの心をお伝えして行きたいと思っています。

花粉会では専用の「そば畑」を持ち、その草取
り風景、これも「そば」の修行なのです。

店の定休日には皆さんで手分けをして手入れ。
やがて花が咲き、実を結び、約2ヶ月半で収穫
オリジナルの「そばの実」が完成します。

---そばの実には不思議なパワーが---
それは「ハイガ」に秘密‥‥ 知っていますか?
そばの種を蒔くと約1週間で発芽しどんな悪条件で
も生育します。胚芽の部分は栄養の固まりで生命力
の源なのです。その隠された秘密を紹介します。

米や小麦などは胚芽の部分は粒の端に存在します。
それで精米・製粉の工程で栄養満点の胚芽が、はが
れ落ちてしまいます。

そばの胚芽は左図の様に米や小麦とは異なり実の中
心部に有ります。S字形に大きく分布し落ちる事が
無く製粉の工程でそば粉に100%
混ざり合います。
(石臼で挽く事で熱を発っせず栄養素を壊さない)

例えば=そば8割/割粉2割で、そば打ちしますと
 * もりそば (160g)  = 約3,456個
 * 大もり  (240g)  = 約5,184個
大量の胚芽を召し上がった計算になります。

このそばの胚芽は健康には最適な食物と世界各国の
著名人からも高い評価を頂戴しています。

「そば」とは真の自然食品です、更に栄養素がとても高い素晴らしい食物なのです。「健康のために」多くの方々に
理解して頂けたら幸いと思います。
    店の入口に鎮座する「石臼

そばの実を製粉する時に熱を加えますとせっかくの
栄養素を壊す事になります。

石臼を使うことで熱を発せず大切な栄養素を壊す事
なく、最大限に摂取する事が出来るのです。

小松庵では、こんなところまで気を配っています。
これも、そばへの熱い「想い・こだわり」なのです。


--- 発 芽 か ら 生 育 の 様 子 ---
そば殻(果皮)の無い「そばの実」からでも100%発芽しました。この生命力には驚きです。
1日目
2日目
3日目
日目
5日目
7日目
10日目
14日目
17日目
20日目
24日目
29日目
34日目
37日目
37日目ついに可憐な花が
40日目
44日目
 44日目 花が大きく
50日目
50日目 更に花が大きく
57日目
57日目の花
55日目
55日目 隣にも花が
60日目の花々
『新そば』は 「夏そば」 と 「秋そば」 が有りますが、
新そばとは主に「秋そば」のことで、別名「秋新」とも
呼ばれています。
 * 「夏そば」は九州で6月中旬に、北海道では
    8月中旬に収穫されます。 
 * 「秋そば」は北海道で9月中旬、 九州では
    11月中旬の収穫となります。
どちらが“旬”と言われたら《色・味・香り》で「秋そば」
に軍配が上がります。10月からが 「そばの旬」 なの
です。 どうぞ「旬のそば」を、ご賞味下さい。
----- 発芽から生育の様子を3ヶ月間、随時アップしました -----
80日目、収穫間近。
収穫して無事完了。
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暮らしの中のそば * * * * * * * *
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古くから親しまれて来た「そば」は、私達の暮らしに深く浸透し、数々の風習を生んでいます。
今も暮らしの中に息づく、「そば」の風習のいわれを紹介しましょう。
* 年越しそば
  年越しそばは「歳取りそば」「大年そば」「おおつごもりそば」「除夜そば」などとも呼ばれ、日本を代表する風習の一つです。
  その理由については、細く長くて縁起が良いから食べるという説、逆に、切れ易いことから旧年の苦労や厄災をきれいさっぱり
  
切り捨てるために食べるという説、更に、金銀細工師が散らかった金粉を寄せ集めるためにそば粉を使っていたことから「金を
  集める」という縁起で始まったという説など、数多くあります。
  昔から風習がすたれてきた今日でも、大晦日にそばを食べる習慣は続いています。  そばは日本人の生活に浸透している
  証拠と言えます。
* 引っ越しそば
  引っ越しそばの風習は、江戸時代中期から江戸を中心として行われるようになったと言います。 転居先に荷物を運び入れた
  ところで、家主、向こう三軒両隣にあいさつしてそばを配るもので、隣近所には2つづつ、大家、差配(管理人)には5つという
  決まりだったそうです。「おそば(側)に末長く」「細く長くお付合いをよろしく」と言ったそばにちなんだ意味は、後から江戸っ子
  が考えた洒落。 そばが一番手軽で安上がりだった事が、そばを配った本当の理由のようです。
* 節句そば
  季節の筋目、節句の行事にそば・うどんを食べる風習が全国各地に残っています。 雛祭りの翌日、雛を仕舞う時のお別れと
  してそばを供える風習もその1つです。 菱餅の色に合わせて白、赤、緑の「3色そば」や、更に黒と黄を加えた「5色そば」が
  作られます。  5つの色はそれぞれ、白は「更科そば」、赤は「海老切り」、緑は「茶そば」、黒は「ごま切り」、黄は「卵切り」と
  云うのが一般的です。
* 大入袋はそば代
  昔、芝居が大入満員になったときは、興行主から関係者一同に盛りそば2枚づつが振舞われていました。 それを「大入そば」
  と言い、かなり古い時代から行われていた慣例のようです。多くの場合は、芝居小屋付近のそば屋切手(そばの食券)が配られ
  ていましたが、やがて現在のように大入の2文字を刷った、いわゆる「大入袋」に現金を入れて渡すようになりました。つまり元を
  たどれば、大入袋はそば代として配られたものなのです。
* 「もり」 と 「せいろ」
  「せいろ」とはすなわち「蒸籠」、饅頭やおこわなどを蒸す器のことで、江戸時代初期には、そば切りを茹でずにこの蒸籠で蒸し
  て出す「蒸し切りそば」が流行ったことがありました。当時のそばは、つなぎとして小麦粉を使わない生粉打ちだったため茹でる
  と切れやすく、蒸す製法が考案されたとの説もありますが、定かではありません。 現在、もりそばやざるそばを蒸籠に盛付けて
  出すのは、この時代の名残りと言われています。
 
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・・・・そばのことわざ・・・・そばのことわざ・・・・そばのことわざ・・・・そばのことわざ・・・・そばのことわざ・・・・
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そばは七十五日の晩、そばになる ◆
 
そばの生育は早い。 凶作の時、すぐそばを蒔けば米・麦の補いになる。「そば作りに飢饉なし」と言うことわざも有る。

そばはのどに入って見ねば知れぬ ◆
 
そばは良く実ったようでも実際に収穫してそばを打ち、口に入れるまでは予想が難しく油断出来ない。

そばとお化けはこわいもの ◆
 こわいは、怖いと強いに掛けたもの。 割り粉(小麦粉)の少ない
そばは強い(硬い)が美味い。

◆ 一鉢、二延し、三包丁 ◆
 手打ち
そばの要締。 一番大切なのが木鉢でのもみ方で、その作業でそばの良否がほぼ決まる。
  
「包丁三日、麺棒三月、木鉢三年」 とも云う。

そばは牛の鼻息でゆだる ◆
 
そばはわずかな熱ですぐ煮えると言う意味、茹で過ぎるとへたばり、香りが台無しになる。

そばは三分(さんぶ) ◆
 昔は辛口のそばつゆが普通だったので、
そばの三分だけつゆを付け、そばの香りや風味を味わうのが正しい食べ方とされた。

そば屋の湯桶 ◆
 そば湯を入れる四角い漆塗りの湯桶の注ぎ口は、角に付いている。 このことから、他人の話に横から口を出すものを云う。