勘次郎 カメラマンの真似事「 駄作集 」 No.1

山形市 蔵王の樹氷&霧氷 2003.12.31〜2004.1.1 撮影
・・・・・・・・・・ 樹氷の蘊蓄 ・・・・・・・・・・

世界的にも珍しい樹氷は「蔵王」「八甲田山」「八幡平」だけにしか見られません。
樹氷が出来る環境は極めて少なく、気温・風速・霧粒の3つの気象要素と針葉樹の
存在は無くてはならないのです。

 1. 大木=針葉樹が在る事
 2. 気温=零下10度以下が長時間続く事
 3. 風速=10m以上が長時間続く事 (風が集中して吹き付ける地形)
 4. 霧粒=湿度が低い事 (結晶が細かい&雪積が少ない)

   ・・・このどれが欠けても綺麗な樹氷は出来ません。即ち、晴れの日が少ない
厳しい自然環境の中でしか樹氷は出来ないとも言えます。

日本海からの季節風が朝日連峰を越す時に多くの湿気を落とし、湿度の低い風が
蔵王連峰に吹き付けます。横倉山と鳥兜山に挟まれた谷間に風が集まり、猛烈な
勢いとなり、地蔵山を目がけ一気に上昇、気温も一気に低下します。
蔵王ロープウエー中央駅(1500m)から山頂線付近に群生するアオモリトドマツに
この西からの季節風が吹き付け、針葉樹の葉に空気中の水分が凍り付き風上に
向けて氷の結晶が成長し、適度の積雪が重なり樹氷が形成されます。
(積雪の多い時=ふっくらとした丸みを帯び女性的に、少ない時は細身で男性的)

また、この樹氷が逆に針葉樹を寒さから守る役割をし枯れることが無く互いに共存
厳しい自然環境が生んだ、天からの贈り物とも言えます。

シーズン中、カメラのシャッターチャンスは極めて少なく、一週間滞在したカメラマン
が一枚も写真を撮ること無く帰った話は少なくないのです。

山頂付近(1,700m)には様々な形の樹氷が見られる

山形市 蔵王の樹氷&霧氷 2005.1.03 撮影
パラダイス・ゲレンデ霧氷から望む「三宝荒神」
パラダイス・ゲレンデから望む「ザンゲ坂」
パラダイス・ゲレンデの霧氷
パラダイス・ゲレンデの霧氷、後方「三宝荒神」
山頂付近の樹氷

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